昨今のCM事情「au by KDDI」
さて、今回はちょいと真面目なお話。
現在「au by KDDI」のCMで篠原涼子氏が出ているバージョンで、男性の泣き顔を携帯カメラにて撮影するCMが流されています。
「
KDDI アドギャラリー/AD GALLERY」←こちらでも見れます。
このCMですが、個人的に腹が立ちます。
出ている女優がどうとかではなく、その内容がです。
少し前に、「SoftBank」のCMで女子高生が仲間外れにされている印象を与えるCMが視聴者の苦情により放映されなくなりました。
CMに限らずですが、過去には差別を助長する可能性があるだとか、女性蔑視だとかの理由で多くのTV番組が批判を受けてきました。
それを悪いとは言いません、むしろ当たり前の自浄作用だと歓迎もしています。
では先に挙げた「au by KDDI」のCMは何故に堂々と流されているのか?
これは男性が声を上げないのがその一番の要因だと感じます。
かのCM、ジェンダーフリーだの男女平等だのと言った考え方に当てはめるなら、間違い無く「セクハラ」もしくは「パワハラ」です。
日本では男性から女性へのセクハラにはかなり神経質になる傾向はあっても、その逆の発想が未だ発展途上だと感じます。
かのCMでは上司にあたる篠原氏が男性の部下の行動にことごとく否定的な態度をとり、結果的に男性社員は半べそ状態になります。
その半べそ状態の泣き顔を携帯カメラで撮影し「かわいい・・・」の一言。
その後に、他の女性スタッフが自分たちにもその画像をメールしてくれとせがみます。
男性はそこで笑顔?(苦笑顔?)になるような流れですが・・・
この状況は間違いなく「セクハラ」もしくは「パワハラ」にあたります。
もし、男女の役どころが逆転していたなら、たちどころに批判されるでしょう。
また、日本ではどうかわかりませんが、もし他の先進諸国において、かのような状況が職場で行われたら、間違いなく裁判で勝利できるでしょう。
正直、僕は細かい事をなんだかんだと難癖をつけるのは嫌いです。
個人的にかのCMを流すななどと苦情の電話を入れたりする気もありません・・・が。
このような現状を見ていると男女差別どうこう言う前に、もっと根本的な認識を改める必要があるんじゃないかい?と感じます。
某大臣の「女性は産む機械」発言にはあれだけの批判がなされました。
これは至極当然の事です。
その逆も然りです、女性差別だけでは無く「差別」そのものにしっかりと目を向けるべき時代だと思います。
※少し追記しておきます。
セクハラと受け取られても仕方のない部分を、わかり易く
赤字での表記にしておきました。
僕はかのCMに出演している俳優の方々へはなんの文句もありません。
腹を立てるとするなら、このCMの脚本家の無知と浅はかさにであり、さらにはそれを許した上の立場に有る人間達へという事になります。
おまけ・・・(3月14日に追記)
メディア・リテラシーという言葉があります。
簡潔に言うと「情報を評価・識別する能力」ということらしいです。
最近では学校教育にもこの考え方を組み入れて行こうという意見もありますが・・・
試みはともかくとして、現実的にはかなり難しいように思います。
先に挙げたCMについて色々と検索をしてみましたが、僕のような意見が書かれているブログなどはほぼ皆無でした。
先にも書きましたが、このCMのキャスティングを男女をそのまま逆転させて報じられたら世間的評価はどういったモノになるでしょうか?
このCMは内容的にドラマ形式をとって作られています。
しかし、紛れも無いCMです。
ドラマやドキメンタリー番組ならば、見る側の意思によって取捨選択が可能ですが、CMである以上は本人が見たく無いと思っても目に飛び込んでくる場合が多々あります。
視聴者側が否応無しに見せられてしまう現実を、製作サイドはもっと考慮に入れて作る義務があるはずです。
また、NET上ではかのCMに対する意見として、「男優さんの泣き顔がかわいい♪」などと言う意見も幾つか見かけました。
まぁ、これはCM製作者の意図にそのまんま乗っかった意見ですが・・・
自分がその立場に立たされた場合にこのような意見を言う方々はどういった行動をとるのでしょうか?
まさか、「セクハラだ!」と声を荒げて騒いだりはしないと思いたいですね。
自らが被害者の立場にある場合には敏感に反応しても、自らが加害者の側に立った場合には鈍感になる・・・
まさに「セクハラ」・「パワハラ」の典型的問題点と言える現象です。
近年、「
セクシャルハラスメント」・「
パワーハラスメント」という言葉があちこちで使われています。
ただし・・・日本においては男性から女性への一方通行的解釈をされている方々が結構いるように感じられます。
しかし、本来は男女間のトラブルにのみ使われる言葉ではありません。
「男性から男性」・「男性から女性」・「女性から男性」・「女性から女性」・エトセトラ・・・あらゆる事象に使われる言葉です。
もし勘違いをされている方がおりましたら、この機会に改めてください。
実は今回、「au by KDDI」さんにも先の内容をどう考えるか?の問いのメールを出してみました。
まず、お客様窓口より、このエントリーのURLを転記し、このような意見があるが貴社はどうお考えですか?といった内容を送信しました。
返信は至極簡潔に、インターネット上の意見に答える立場には有りません。
といったような内容でしたので、改めて下記のような内容で問い合わせてみました。
先のメールにて提示した上記URLは私本人がブログにエントリーしたのです
が、このメールでその真偽を言ってもはじまらないと考えますので、
先のお答えには一応の納得をいたします。
その上で、改めてお伺いしたいと思います。
<ーーここから貴社サイトより引用ーー>
舞台は、とあるインテリアショップ。
オープンを目前に控え商品をディスプレイする中、
後輩役である杏さゆりさんや忍成修吾さんに
テキパキと指示を出すリョーコ課長。
「リョーコさん、ここどうですか?」(杏さん)
「うん、そんな感じ。」(リョーコ課長)
「リョーコさん、ここは?」(忍成さん)
「それ、違う。ありえない……。
きみ、何年この仕事やってるの?」
センスのいい杏さんに対し、
何をやってもうまくいかない忍成さん。
そして、リョーコ課長の叱咤に
ついには泣きだす始末……。
「あれれ……。」(リョーコ課長)
そこで、リョーコ課長はサッとケータイ
(女子にオススメ! W51P) を取り出し、
泣き顔をカシャ!!
「泣き顔カワイイ。」(リョーコ課長)
「カワイー! 私にも送ってくださいよ~。」(杏さん)
「もーちろん!」(リョーコ課長)
おだてられて、一転笑顔が戻った忍成さんに、
「何で笑ってんの。ダメ、早く泣いて。」と
リョーコ課長からキビし~ツッコミが。
掟#086 部下とカメラは上手に活かそう
「生きてくアタシのケータイ」
au by KDDI
<--引用ここまでーー>
この中で、
<--再び引用ーー>
そこで、リョーコ課長はサッとケータイ
(女子にオススメ! W51P) を取り出し、
泣き顔をカシャ!!
「泣き顔カワイイ。」(リョーコ課長)
「カワイー! 私にも送ってくださいよ~。」(杏さん)
「もーちろん!」(リョーコ課長)
おだてられて、一転笑顔が戻った忍成さんに、
「何で笑ってんの。ダメ、早く泣いて。」と
<--ここまでーー>
この部分は現行法において、セクシャルハラスメントもしくはパワーハラスメン
トとされても仕方が無いように思いますが、
貴社はどのようにお考えでしょうか?
この設定がもし男女が逆であったなら、世間的にはどう判断されるとお考えで
しょうか?
参考までにご意見をお聞きしたく、改めてメールさせていただきます。
返信メールには内容の転載や引用はお断りしますとの記載がありましたのでひかえますが、今後のCM製作には社会的影響にも充分に配慮した広報活動を目指す旨と、今後の参考とさせていただきますといったようなマニュアル通りの答えが返ってきたとだけ記させていただきます。
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